交通事故の過失割合に納得がいかない場合はすぐに弁護士に相談

交通事故の示談交渉というと、「示談金の増額」というテーマがとてもクローズアップされてネットでも取り上げられていますが、実は示談金の増額と同じレベルで重要になってくるのが「過失割合」です。

いくら示談交渉において、慰謝料などを大幅に増額できたとしても、この過失割合が適切でなければ被害者が受け取ることができる賠償金は大幅に減ってしまいます。

そこで今回は、この過失割合の基本知識について解説します。

過失割合とは何か

例えば、子供同士が学校で喧嘩をしたとします。この場合、良い先生は喧嘩をした生徒双方に対して、相手に謝るよう指導するでしょう。これは、「喧嘩の原因が双方にある」可能性が高いからです。

仮に、X君がY君を叩いたとします。これだけを見れば、X君が加害者です。けれども詳しく話を聞いていくと、Y君がX君の悪口を何度も言ったために、X君が怒って叩いたということがわかりました。

つまり、喧嘩の原因はY君にもあったのです。

実は、このようなことが交通事故の現場でも頻繁に発生しています。

例えば、道路を横断中の歩行者を車がはねてしまったとします。この場合、一見するとドライバーが加害者、歩行者が被害者ですが、もしも歩行者が急に歩道から飛び出してきたとしたらどうでしょう。そうなれば、事故の原因は歩行者にもあると言えるはずです。

先ほどのX君とY君の喧嘩の場合とは違い、交通事故の場合は、治療費や慰謝料、休業損害など様々な損害賠償が発生しますから、お互いが誤って解決というわけにはいきません。

どちらがどの程度悪かったのか、はっきりとした「割合」を話し合って決めなければならないのです。そしてこの「どちらがどの程度悪かったのか」の割合のことを「過失割合」というのです。

過失割合は、過失全体を100%として、0:100や10:90などと表現したり、単に0:10や1:9と表現することもありますが意味は同じです。

過失割合はどうやって決まるのか

過失割合については、交通事故の類型に応じて一定の基準がありますので、基本的にはそれに当てはめて算出します。ただし、交通事故の態様はケースに応じて千差万別であり、画一的に過失割合を統一することは難しいため、最終的には加害者と被害者で話し合って決めることとなります。

また、話し合いがまとまらない場合は、過失割合をめぐって裁判になることもあります。裁判になれば、最終的には裁判所が過失割合を判断することとなります。

過失相殺とは?

仮に被害者側の落ち度がまったくない追突事故のような場合、過失割合は0:100です。この場合、示談金の総額が100万円であれば、被害者が加害者に請求可能な金額も100万円です。

けれども、被害者側にも20の過失割合が認められる場合、被害者が加害者に請求できる金額は80万円にまで減額されてしまいます。

このように、被害者側の過失割合に応じて損害賠償額が減額されることを「過失相殺」と言います。

そのため、示談金の増額交渉が成功したとしても、この過失割合が不利なままでは、結局受け取ることができる賠償金が制限されてしまうのです。また、過失相殺の怖いところは、「損害賠償金の全項目の総額から一括して過失相殺を行う」という点です。

ですから、仮に慰謝料などが大幅に増額して総額1000万円の損害賠償金が認められたとしても、過失割合が20ついてしまうと、被害者が請求できる損害賠償金は一気に200万円減って800万円しかもらうことができないのです。このように、損害賠償金の総額が多額になればなるほど、過失相殺の影響は大きいのです。

まとめ:過失割合に納得ができない時は弁護士に相談しましょう

交通事故の現場では、とにかく丁寧に謝ってきたような加害者でも、後から過失割合の交渉をはじめたとたんに、被害者側の過失を主張してくるというケースが多々あります。加害者に過失割合を指摘されると、被害者心理としては心中穏やかではないでしょう。

そんな時は迷わず弁護士に相談することをお勧めします。過失割合については、妥協してしまうと受け取ることができる賠償金に大きな影響が出ますので、過失割合に納得ができない場合はすぐにでも弁護士に相談して、代理人として相手方と交渉してもらいましょう。