後遺障害の併合・相当・加重の場合、弁護士にすぐに相談

交通事故の損害賠償請求において、その金額を大きく左右するのが「後遺障害認定」です。そしてこの後遺障害認定には、一定の場合において、「併合、相当、加重」という特別な取り扱いをするケースがあります。

それによって認定される等級にも影響が出るためとても重要です。

そこで今回は、後遺障害認定の併合、相当、加重の取り扱いについて解説します。

後遺障害認定における「併合」とは?

交通事故の後遺障害は全部で1〜14等級に分類されます。ただ、交通事故による怪我は1箇所だけとは限りません。

たとえば8級に該当する運動機能障害を負った被害者が、同時に10級に相当する短縮障害などを発症しているような場合は、最終的な後遺障害等級は「併合」という取り扱いによって決定します。

【併合の取り扱いについて】

  • 13級以上に該当する後遺障害が2つ以上残った場合、重い方の傷害の等級を1級繰り上げる。
  • 8級以上に該当する後遺障害が2つ以上残った場合、重い方の傷害の等級を2級繰り上げる。
  • 5級以上に該当する後遺障害が2つ以上残った場合、重い方の傷害の等級を3級繰り上げる。

なお、14級についてはたとえ複数存在していても14級として認定されます。

仮に先ほどのケースですと、8級と10級の後遺障害がある場合は、重い方の8級を1つくりあげて併合7級として認定されます。

これが後遺障害認定における「併合」という取り扱いです。

後遺障害認定における「相当」とは?

後遺障害認定は、後遺障害等級認定表の内容に照らし合わせて認定されますが、中にはそこに記載されていない症状のケースがあります。その場合は、後遺障害等級認定表の内容に応じて、類似する等級を「相当」として等級を認定する取り扱いを行います。

例えば相当の扱いを受ける障害に「耳漏」があります。交通事故における鼓膜の外傷性穿孔や耳漏などについては、手術後に聴力障害が残れば通常の後遺障害に認定されますが、聴力障害がなく耳漏だけ生じているような場合は、その程度に応じて「相当」の等級が認定されます。

  • 第12級相当:鼓膜の外傷性穿孔による耳漏が「常時」あるもの
  • 第14級相当:鼓膜の外傷性穿孔による耳漏があるもの

このほかにも交通事故による耳鳴りや、嗅覚脱失、鼻呼吸困難、嗅覚の減退なども相当の等級認定がされる場合があります。

後遺障害認定における「加重」とは?

完全なる健康体の人が交通事故で怪我を負った場合、怪我の責任の全てはその交通事故にあることは明白です。

けれども、交通事故発生前からすでに一定の障害がある人が、交通事故によってさらに障害を受けた場合、どこまでが当該事故によるものなのかが分かりにくくなるため、これを判断する取り扱い基準として「加重」という考え方があります。

なお、加重の取り扱いについては、主に次の3通りです。

1:もともとの障害箇所と同じ部位に障害が残った場合

例えば以前にも交通事故に遭っていて、その際に片目の視野狭窄による視野障害で第13級の認定を受けている人が、さらに不運なことにもう一度交通事故に遭遇し、両目の視野狭窄で第9級に認定されたような場合は、9級の後遺障害として処理されますが、9級の後遺障害の保険金限度額から、従前の後遺障害認定において既に支払われている保険金を差し引いて補償限度額を算出します。

2:部位は違うが同じ系列の場所に障害が残った場合

例えば、右手に障害がある人が、次の交通事故によって右の腕に一定の障害が残った場合は、両者の等級を「併合」した上でその差額が支払われます。

当初からの後遺障害が10級で、今回の事故における後遺障害が8級だった場合、両者が併合されて7級となり、当初の等級である10級の保険金を差し引いた保険金が支払われるという仕組みです。

3:全く違う部位、系列に後遺障害が残った場合

このケースは全く後遺障害の関連性がないため、加重はされません。二度目の交通事故時に認定された後遺障害等級に則り保険金が支給されます。

もともとの「既往症」がある場合はどうなるのか?

交通事故ではなく、もともと被害者側に何らかの症状(既往症)があって、それが交通事故によってさらに悪化したというような場合はどうなるのでしょうか。

例えば、もともと椎間板ヘルニアだった人が交通事故に遭ってその症状が急激に悪化したというような場合、現在の症状に対する損害賠償金が一定額減額される場合があります。

これを「素因減額」と言います。

どの程度減額されるのかについては、示談交渉や訴訟によって争われることとなりますので、弁護士の腕次第でその違いが出る可能性はあるでしょう。

まとめ

このように交通事故における後遺障害認定は、後遺障害の箇所や被害者のもともとの症状の有無などによって様々な考慮がされて最終的な後遺障害慰謝料や逸失利益が決まります。

最終的な賠償金の金額は、担当する弁護士のサポート次第で大きく変わる可能性がありますので、後遺障害認定についてはできる限り早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。