死亡事故の2つの慰謝料相場と基準について

不慮の交通事故で大切な家族が死亡してしまった場合、その後の保障はどうなるのでしょうか。

加害者側は一体どこまで、被害者の損害を賠償する責任があるのか、一般の方には見当もつかないのではないでしょうか。そこで今回は、死亡事故の慰謝料相場と、その基準について解説します。

死亡事故の慰謝料は実は「2種類」ある

交通事故で家族が死亡した場合、加害者に対して請求できる「慰謝料」は厳密に言うと2種類存在します。

その1:遺族に対する慰謝料

大切な家族を失った悲しみは、それはそれは耐え難いものがあるでしょう。当然死亡した被害者本人の家族にも、加害者に対して慰謝料を請求できる権利があります。

遺族に対する慰謝料については、自賠責保険では次のように規定されています。

【遺族の慰謝料】

  • 請求権者1名の場合:550万円
  • 請求者2名の場合:650万円
  • 請求者が3名以上の場合:750万円

被害者に被扶養者がいる時はさらに200万円が加算される

さて、この金額を見てどう思いますか?

大切な家族が死亡した悲しみを補填するには、あまりにも少ない額ですよね。

このあたりの金額は、弁護士に依頼をして加害者側と交渉することで一定の増額が期待できます。

なお、慰謝料請求権が認められる遺族の範囲については、民法の規定によると、父母、配偶者、子供となっています。

ただし、必ずしもこれに限っているわけではありません。過去の判例でも、被害者の夫の妹が長年被害者と同居して扶養されていて、被害者の死亡によって甚大な精神的苦痛を受けたことが認められ、慰謝料請求が認められたことがあります。(最高裁昭和49年12月17日判決)

ですから、例えば孫が交通事故で死亡した場合でも、立証の仕方次第では遺族として慰謝料の請求が可能な場合もあるでしょう。

その2:被害者本人の慰謝料

そしてもう一つ忘れてはならないのが、「死亡した本人に対する慰謝料」です。被害者本人は死亡してしまったものの、生きていれば自分で加害者に対して慰謝料を請求できたはずです。

そのため、死亡事故の場合でも本人固有の慰謝料請求権は消滅しません。ではどうなるのかというと、被害者の相続人が本人の慰謝料請求権を相続することになります。

例えば、交通事故で夫を亡くした場合、その配偶者及び子供が夫固有の慰謝料請求権を相続するのです。相続するということは、すなわち死亡した本人の精神的苦痛分も合わせて相続人が請求できるということです。

なお、本人固有の慰謝料は自賠責保険の規定によると350万円に設定されています。あまりにも少なすぎますよね。そこで、これについても交通事故に強い弁護士に相談することで、大幅に増額することが可能です。

実際に弁護士に依頼した場合の死亡慰謝料相場については、2000万円〜2800万円程度と非常に高額になります。

遺族は慰謝料以外にもいろいろ請求できる

このように、慰謝料の相場だけみると、とても人が一人死亡したとは思えないほど少ない賠償金にしかなりません。

ただ、死亡事故で加害者に請求できる金額は慰謝料だけではありません。その他にも葬儀費用や逸失利益なども請求できますので、これらを総トータルすればそれなりの金額にまで増額することが可能です。

ただ、金額の交渉については、やはり交通事故に強い弁護士に依頼したほうが断然有利でしょう。